「ヨーロッパ退屈日記」と「伊丹十三記念館」

夏の四国旅行に合わせて、会社員時代の思い出が詰まった伊丹十三さんの記念館に行ってきました!!

記念館は、建築家の中村好文さんが手がけたもので、その洗練されたコンパクトな建物と展示内容には十分な魅力がありました。

私の伊丹十三さんとの出会いは、「ヨーロッパ退屈日記」という本でした。
15年以上前に、日本橋三越本館の6階にあった特選紳士衣料という売り場で働くこととなりました。
当時、そのフロアはバブル時代の名残を感じさせるANOTHER WORLDのコンセプトで、赤い絨毯に包まれ、世界の一流ブランドがひしめき合っていました。
そこで私は、多くの財界の方々が訪れる中、経営者の方々から貴重なアドバイスを受ける機会を得ました。
その中には、ビジネスの基礎知識や紳士的な振る舞いを学べるために、日経平均の確認やモンブランのリフィル選び、そして伊丹十三さんの「ヨーロッパ退屈日記」の読書を勧められたことがありました。
このようなアドバイスをお客様から直接受けることは驚きでした。
その出会いをきっかけに、「ヨーロッパ退屈日記」を読み、伊丹十三さんのファンになりました。
伊丹十三さんは映画監督、脚本家、俳優、作家として、多岐にわたる才能を発揮し、その独自の視点とユーモアで人々を魅了しました。
私にとって伊丹十三さんが魅力的な理由は、その哲学的な考え方です。
そして、そのような伊丹十三さんの生涯を知るために記念館を訪れました。

展示室の入口には、伊丹さんの優しい笑顔と「やあ、いらっしゃい」という文字が出迎えてくれました。
常設展示室は、伊丹さんの13の顔を13のコーナーに分けて紹介しており、その多彩な人生をじっくりとたどることができます。


幼少期から驚くべき文章を書いていた伊丹さん、映画監督であるお父様の影響を受けていたことがうかがえます。




また、エッセイスト、料理通、テレビマンとしての一面も垣間見ることができました。

そして、乗り物マニアとしての一面が、英国車ベントレーの展示を通じて感じられました。
この車に対する伊丹さんなりの独特の考え方に深く感銘を受けました。


特に興味深かったのは、精神分析に対するアプローチです。
子供が生まれた際には、どのような親になるべきかを考え、自己理解が教育に不可欠であるという信念から、心理学者である岸田秀先生から講義を受けるなど、その行動力と探究心に尊敬の念を抱きました。
また、精神分析に関する伊丹さんと岸田先生の講義本「哺育器の中の大人」もおすすめですのでよかったら読んでみてください。

展示を楽しんだ後は、開放的な中庭でほっと一息つきました。
ベンチに座ると、そこに座ること自体が心地よさをもたらしました。
建築から展示方法まで、記念館は素晴らしい体験を提供してくれました。
四国旅行の際には、ぜひ訪れてみることをおすすめします。