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【SOMBRELO】“Karamushi” Mini Shoulder Bag

8周年記念としてご紹介させていただくのは、福島県昭和村の伝統的な技法で生まれた「からむし」生地とイタリアンレザーを組み合わせたミニショルダーバッグです。

以前から鞄製作をしていただいている職人の片岡さんから苧(からむし)の存在を聞いておりまして、素材自体の強い魅力は感じていました。
そのため、いつか素材として使わせていただき、何か作りたいなと密かに心に秘めておりました。

その折、昨年11月ごろ、片岡さんからご連絡をいただき、ATLIER MUJI GINZA Gallery 1・2で開催されていた、「渡し舟-からむしの営み」と題された展示に足を運びました。
まさに昭和村の文化に焦点を当てたこの展示は、見事なものでした。
布が形作られるまでに必要な手間や労力に驚かされると同時に、生命の息吹やその力強さを感じることができました。
この展示を契機に、「からむし」の布を用いたバッグ製作に着手する決心をいたしました。

そもそも「からむし」とは、イラクサ科の多年草、別名苧麻と呼ばれる植物です。

江戸時代以来、福島県昭和村で栽培されてきました。
この村で生産されるからむしは、その品質の高さで知られており、「越後上布」「小千谷縮」などの最高級原料として高く評価されてきました。
からむしの織り出すまでには、膨大な時間と手間がかかっております。
5月から7月にかけては、畑仕事が行われます。雑草取りやからむしの焼き、施肥、垣造り、苗の植え替え、そして刈り取りなど、様々な作業が行われます。
7月から8月には、苧引きという作業が行われます。これは、刈り取ったからむしから繊維部分を取り出す作業です。
そして、一年中を通して糸づくりの工程が行われます。繊維を細く裂き、繋げて、糸にするという作業は、繊細かつ緻密な技術が求められます。
最後に、12月から3月にかけては、帯や反物を織り上げる工程が行われます。これらの工程を経て、美しいからむし織りが生み出されます。

この素晴らしい素材をどのように活かすか、その問いに私は悩み、試行錯誤を重ねました。
最初は、生地をたっぷりと使うことを考えていました。
しかし、その結果、麻に似た素材感のため、軽やかな表情になり、からむし独特の力強さと美しさが表現されませんでした。
悩みましたが、さまざまな角度から試行を重ねる中で、逆に素材自体が持つ力強さを内側から引き出すことで、より魅力的な表情が生まれるのではないかと考えました。
そして、それに組み合わせる素材として、すぐにイメージが湧きました。
それは、マットで厚みのあるベジタブルタンニンのイタリアンレザーでした。
以前にもオリジナルアイテムでこのレザーを使用したことがあり、経年変化による輝きを知っていたからです。
そのため、「からむし」との相性が抜群だと感じ、この組み合わせを決めることにしました。

デザインは80年代を彷彿とさせるクラシックなラウンドフォルムに、太さに強弱をつけた紐の格子上デザインが特徴です。¥

さらに、今回はショルダー部分にもこだわり、着物の襟元からインスピレーションを得てV型にデザインを施しました。

裏地にはピッグスキンを使用することで、高級感もしっかりと演出しています。

サイズ感にもこだわり、小さすぎずに2つ折り財布やスマートフォン、必要最小限の小物を収納できるようなサイズ感に仕上げています。

カラーは黒とダークベージュの組み合わせで、落ち着いた大人の配色となっています。
そのため、様々なスタイリングに合わせやすく、シーズンを問わず通年でお使いいただけるよう配慮しています。

是非、店頭に足をお運びいただき、この作品の魅力を心ゆくまでお楽しみください。
皆さまのご来店を心よりお待ちしております。

<イベント詳細>

サンクスフェア期間の4月6日(土)〜14日(日)限定の受注会となります。
出来上がりは6月上旬頃を予定しております。

<商品詳細>

【ITEM】“Karamushi” Mini Shoulder Bag
【MATERIAL】COW LEATHER× RAMIE(からむし)
【COLOR】BLACK× DK BEIGE
【SIZE】OS : W18.5cm×H12.5cm×D6.5cm
【PRICE】¥55,000(IN TAX)